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導入の判断

kintoneとERPの連携——つなぎ方より先に「どちらが正か」を決める

kintoneとERPをつなぐ方法は4通りあります。ただ、連携がうまくいくかどうかは、どの方法を選ぶかより「取引先や金額を、どちらで入力し、どちらを正とするか」を先に決めたかでほぼ決まります。

公開 2026年11月2日木谷 真也(株式会社Emposy 代表取締役)読了 約7分
導入の判断 kintoneと ERPの連携 先に「どちらが正か」を決める オールインワンERP開発通信 by 株式会社Emposy kintone 決まる前 案件 申請 グラフ ERP 決まった数字 受注請求入金会計 入力する側はデータごとに1つ

kintoneを使っている会社が会計ソフトやERPを入れると、「同じ取引先や金額を2回入力している」という悩みが出てきます。そこで考えるのが連携です。kintoneでERPそのものを作れるかは別の記事に書いています。

kintoneとERPの連携とは、役割を分けてデータを渡すこと

決まる前の情報はkintone、決まった数字はERP。連携は、その境目でデータを渡すしくみ

kintoneは、現場が自分で画面を作って直せるのが強みです。ERPは、受注・請求・入金・会計の数字を1本につなぐのが仕事です。そこで多いのが、決まる前の情報はkintone、決まった数字はERPという分け方です。サイボウズ自身も、受注が決まるまでの案件や問い合わせはkintoneで管理し、受注が決まったら金額と納期をERPへ渡す使い方を紹介しています(kintone×ERPの資料)。

kintone 決まる前の情報 案件・問い合わせ 見積・購買の申請 売上のグラフ ERP 決まった数字 受注 請求 入金 会計 受注が決まったら金額・納期を渡す売上の実績を返す
図1 よくある分け方。決まる前はkintone、決まった数字はERP。境目(オレンジの矢印)でデータを渡すのが連携。

渡すデータは3種類

データの種類と例よくある向き
台帳(マスタ)取引先、商品、勘定科目、部門
ERP → kintoneERPで登録したものを、kintoneは選ぶだけにする
決まった取引受注金額と納期、承認された購買や経費
kintone → ERP承認や確定のタイミングで1回渡す
結果の数字売上の実績、入金済みかどうか、支払の予定
ERP → kintone現場が見るためだけに渡す。kintoneでは直さない

つなぎ方は4通り。手作業が減るほど、準備の手間は増える

サイボウズの開発者向けサイトでも、kintoneを外のシステムとつなぐ方法は、CSVの読み込みと書き出し・連携ツール・プログラムなどに分けて説明されています(cybozu developer network)。ERP側が連携の部品を用意していることもあります。

つなぎ方手作業準備向いている場合
CSVで書き出して読み込む毎回、人が操作ほぼ要らない月に数回・数十件まで
ERP側の連携プラグイン少ない入れて設定するERPに用意があれば第一候補
連携ツール(画面で設定)少ない流れを画面で組むツールの利用料が別途必要
プログラム(API)ほぼ無し作る人が要る細かい決まりも組める。直すのも作った人

連携でつまずきやすい4つの所

どれも、同じデータをkintoneとERPの両方で直せることから起きます

連携は、つないだ日よりもその後に困ります。よく起きるのは次の4つです。図のオレンジの部分がずれや止まりの起きる所です。

kintoneERP株式会社ABC(株)ABC同じ会社が2社に分かれる

取引先の名前がずれる

防ぎ方
取引先はERPだけで登録し、kintoneはERPの一覧から選びます。突き合わせは名前でなく取引先の番号で行います。

kintoneERP受注金額120万円受注金額100万円≠あとから直した方だけ変わる

両方で直せてしまう

防ぎ方
ERPへ渡したあとのkintoneの記録は、直せないようにします。直すときはERPで直し、kintoneへ返します。

kintoneの項目取引先金額+ 値引きERP受け取れない

項目を足すと止まる

防ぎ方
連携に使う項目だけは「変える前に連携の担当へ伝える」と決めておきます。

夜の受け渡し失敗月末締めで気づく

止まっても誰も気づかない

防ぎ方
失敗したら担当者にすぐ知らせます。週に1回、kintoneとERPの件数と合計金額を並べて確かめます。

4つとも、原因は同じ

名前のずれも、金額の食い違いも、同じデータを2か所で入力・修正できることから起きます。つなぎ方を高いものに変えても、この決めごとがないと同じことが起きます。

つなぐ前に、データごとに「入力する側」を1つに決める

入力する側を1つにし、もう一方は受け取って見るだけにする。これだけで4つのつまずきの大半が防げる

決める表の例

次の表は、kintoneで営業、ERPでお金を扱う会社の例です。どのデータも、入力する側は1つだけにしています。

データ入力する側(正)と渡し方
取引先・商品
ERPが正kintoneは一覧から選ぶだけ。登録したらすぐ渡す
案件・見込み
kintoneが正ERPには渡さない
受注金額・納期
kintoneで入力し、確定後はERPが正受注が承認されたときに渡し、kintoneでは直せなくする
請求・入金
ERPが正kintoneは見るだけ。1日1回渡す

「すぐ」か「1日1回」か

全部をすぐ渡す必要はありません。取引先のように、選べないと現場の入力が止まるものだけすぐ渡し、売上の実績のように見るだけのものは1日1回で足ります。すぐ渡す本数が少ないほど、連携は安く作れて、止まったときの影響も小さくなります。

つなぐか、ERPにまとめるか

つなぐ相手が2〜3なら連携でよい。相手が増えるほど、つなぎ目の手入れが重くなる

つなぐ相手が増えると、つなぎ目はもっと増える

連携は1本ごとに、作る手間と、止まったときに直す手間がかかります。kintoneとERPの2つなら1本です。ここに会計ソフト・勤怠・チャットと増えて、それぞれが互いにやりとりするようになると、つなぎ目は一気に増えます。

3つなら3本 5つなら10本 ERPにまとめる ERP kintone・ERP・会計 +勤怠・チャット 要る所だけつなぐ =作って、止まったら直すつなぎ目
図2 互いにつなぐと、つなぎ目は相手の数より速く増える。お金の流れを1つにまとめると、外とつなぐのは要る所だけになる。

分かれ目

つなぐ相手が2〜3で、渡すデータが「受注が決まったら1回」程度なら、連携で十分です。kintoneはそのまま現場の道具として使えます。

反対に、受注→請求→入金→集計のように同じ金額が何度も行き来するなら、その流れはERPにまとめ、kintoneはその手前の案件や申請に残す方が、つなぎ目が減って安く済みます。どこまでをkintoneに残すかの考え方は、次の記事に書いています。

この記事を書いた会社の仕事

つなぐか、まとめるか。プロの視点でご提案します

いま使っているkintoneのアプリと、会計ソフトやERP、いちばん手間のかかっている二重入力をうかがい、どこをつなぎ、どこをまとめるか、データごとにどちらを正にするかまで具体的にご提案します。連携だけで足りる会社には、そうお伝えします。60分の無料相談です。しつこい営業はしません。

出典:サイボウズ「kintone × ERP」資料・cybozu developer network「kintoneデータ連携」・kintone 料金・freee「freee for kintone」・サイボウズ「連携コネクタ」(いずれも2026年10月30日に確認・税抜)。

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書いた人

木谷 真也(株式会社Emposy 代表取締役)

自社の基幹システムの要件定義書を自分で書き、毎日使っている。営業・経理・案件管理・日報・AI相談までを自社開発の基幹システム1つに集約して会社を回し、その経験をもとに中堅・中小企業の自社専用ERP開発を請けている。東京・大阪。サービスについて

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