この記事でわかること
- SAPと国産ERPを9項目で対決
- 25人・1年でそろえた料金
- 9項目を1枚にまとめた比較表
ERPを調べると、まず出てくるのがSAPです。
一方で、年商500億円未満の中堅・中小企業では、導入数の上位に国産ERPが並びます。
この記事では、会社・導入数・料金・大企業での実績・使える範囲・追加できる製品・相談先・開発の規模・取引先とのつながりの9項目で、SAPと国産ERPを1つずつ比べます。
作っている会社で比較:世界最大手の1社と、国内の複数メーカー
SAPは1社が世界に売る。国産は国内の数社が競う
SAP
ドイツの1社
ERPの世界最大手
国産ERP
国内の複数メーカー
大塚商会・富士通・オービック・OBC(株式会社オービックビジネスコンサルタント)など
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 作る会社 | SAP(ドイツ) | 大塚商会、富士通、オービック、OBC(株式会社オービックビジネスコンサルタント)など |
| いま入れる製品 | S/4HANA | SMILE V、GLOVIA、OBIC7、奉行V ERPなど |
| 中堅・中小向け | GROW with SAP(S/4HANAのクラウド版をまとめて提供) | 各社の製品がもともと中堅・中小向け |
SAP:1つの製品を世界中の会社に売る
いま新しく入れるなら、現行版のSAP S/4HANAです。中堅・中小向けには、S/4HANAのクラウド版(Public Edition)をまとめて提供するGROW with SAPがあります。
国産ERP:国内のIT・会計ソフト会社が作る
代表的な製品は、SMILE(大塚商会)、GLOVIA(富士通)、OBIC7(オービック)、奉行V ERP(OBC)です。どれも中堅・中小企業を主な相手にしています。
導入数で比較:中堅・中小では国産が上位
シェア上位6製品のうち4つが国産。合計でSAPの約2倍
SAP
合計 19.9%
SAP ERP・SAP Business One
国産ERP
合計 39.9%
SMILE・GLOVIA・奉行V ERP・OBIC7
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 上位6製品に入った数 | 2製品(3位・4位) | 4製品(1位・2位・5位・6位) |
| 合計シェア | 19.9% | 39.9% |
| 導入予定の会社のシェア | SAP ERP 7.4%(いま12.0%) SAP Business One 3.9%(いま7.9%) | SMILE 20.1%(いま15.1%) GLOVIA 17.2%(いま14.0%) |
シェア上位6製品
ノークリサーチの調査(2025年7〜8月、年商500億円未満の中堅・中小企業1,300社)で、導入済みのERPのうち最も主要な1つを聞いた結果です。
導入予定の会社では、国産を選ぶ割合が増える
同じ調査では、ERPの導入予定の会社にも、どの製品を入れるつもりかを聞いています。今使っている会社の割合と並べると、次のとおりです。
| 製品 | 今使っている会社 | 導入予定の会社 |
|---|---|---|
| SMILE(国産) | 15.1% | 20.1% |
| GLOVIA(国産) | 14.0% | 17.2% |
| SAP ERP | 12.0% | 7.4% |
| SAP Business One | 7.9% | 3.9% |
今使っている会社ではSAP ERPが12.0%ですが、導入予定の会社でSAP ERPを選ぶのは7.4%です。反対にSMILEは、いまの15.1%から20.1%に増えます。新しく選ばれる製品ほど、国産の割合が大きくなっています。
料金で比較:25人・1年でそろえる
SAPは25人で年1,381万円。勘定奉行は85人分でも年1,014万円
SAP
1人月 4.6万円
25人・1年で1,381万円
国産ERP(勘定奉行)
1人月 0.99万円
85人・1年で1,014万円
| SAP S/4HANA Cloud 財務の基本パック | 国産ERP 勘定奉行V ERPクラウド(会計) | |
|---|---|---|
| 料金の出し方 | 公式ページに円で公開 | メーカーは見積。販売店に人数ごとの価格 |
| 何人から | 15人から | 9人までの枠から(年264万円) |
| 1人月 | 4.6万円(25〜39人の単価) | 2.4万円(9人)〜0.99万円(85人) |
| 25人・1年 | 1,381万円 | 見積(85人分でも1,014万円) |
条件:クラウド・1年契約・税抜・導入支援の費用は含まない。SAPはGROW with SAPの料金ページの表示額(25〜39人の単価46,033円)×25人。奉行は販売店(OCN オンラインショップ)の掲載価格(2026年10月27日時点)。掲載は9人と85人で、25人の価格は無いため見積としています。
SAPのパックに入る範囲
- 財務の基本パック(SAP Finance Base)には、会計・資金・支払と、受注から入金・発注から支払までの処理が入る
- 上位の財務パック(Premium)は1人月63,015円。生産・在庫は別パック(1人月46,033円)
- 導入支援の費用は別
国産で債権・債務まで広げた場合
会計に債権・債務・固定資産・証憑の保管まで入れた「奉行V ERPクラウド 会計 DX Suite モデル2」は、9人・1年で905万円(1人月8.4万円)です。25人の額は見積で確かめます。
大企業での実績で比較:世界の大企業100社中99社
世界の大企業100社のうち99社がSAPを使う。会社が大きくなっても乗り換えずに済む
SAP
100社中99社
世界の大企業が利用(86社はS/4HANA)
国産ERP
中堅・中小が中心
年商500億円未満で上位
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 世界の大企業 | 100社のうち99社が利用(86社はS/4HANA) | 主な相手は国内の中堅・中小 |
| 会社の規模 | 中小(利用企業の約8割)から世界最大手まで | 中堅・中小向けの製品が中心 |
世界の大企業が使う仕組みを、そのまま使える
SAPの会社概要(2026年10月21日)によると、世界の大企業100社のうち99社がSAPを使い、86社は現行版のS/4HANAを使っています。売上も人数も桁違いの会社が回している仕組みと、同じ製品を使えるのはSAPだけです。
会社が大きくなっても、乗り換えずに済む
一方で、SAPを使う会社の約8割は中小企業です。小さく入れて、上場や買収で会社が大きくなっても、同じ製品のまま広げられます。大きく育てる前提なら、途中でERPを入れ替える手間とお金を先に避けられます。
使える範囲で比較:給与まで1つの製品で済むか
SAPは人事を別に契約。奉行V ERPは給与まで1つの製品
SAP
人事は別の契約
HRパッケージ(価格は問い合わせ)
国産ERP(奉行V ERP)
給与まで1つの製品
会計・販売管理・人事労務
| SAP S/4HANA Cloud | 国産ERP 奉行V ERP | |
|---|---|---|
| 会計 | 財務パック | 入る |
| 販売・購買 | 財務パックに入る(受注〜入金・発注〜支払) | 入る(販売管理) |
| 生産・在庫 | 別パック(1人月46,033円) | 製品によって違う |
| 人事・給与 | 別のHRパッケージ(問い合わせ) | 入る(人事労務) |
追加できる製品で比較:SAP Storeに3,000以上
他社の追加製品が3,000以上。経費・調達・人事もSAP自身が持つ
SAP
3,000以上
SAP Storeのパートナー製品
国産ERP
メーカーの連携製品
メーカーと販売店が用意する範囲
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 他社の追加製品 | SAP Storeに3,000以上 | メーカーと販売店が用意する連携製品 |
| メーカー自身の周辺製品 | 経費(Concur)・調達(Ariba)・人事(SuccessFactors) | メーカーごとに違う |
業界や業務に合わせて、作らずに足せる
SAPの会社概要によると、SAP Storeに載るパートナー製品は3,000以上あります。経費精算のSAP Concurは約1億600万人が使っています。ERPにない機能が要るとき、作らずに既製品から選べる幅はSAPが最も広いです。
足すたびに、契約と料金が増える
ただし追加製品は、それぞれ別の契約です。使える範囲の比較で見たとおり、国産ERPは給与まで1つの製品で済むため、必要な業務が国内の一般的な範囲に収まるなら、足す前に揃っています。
相談先で比較:認定パートナーか、全国の販売店か
奉行の販売店は全国3,000事業所。近くで相談できる
SAP
認定パートナー
中堅向けの定額パッケージは6社
国産ERP
全国の販売店
奉行は3,000事業所・SMILEは大塚商会の営業
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 売り方 | 導入パートナーと組んで提供 | 販売店・自社の営業が売る |
| 相談できる先 | 中堅向けの定額パッケージは6社(2024年9月) | 奉行は全国3,000事業所(2026年4月) |
| 主な相手 | SIer・コンサル会社 | 事務機器の会社、SIer、会計事務所 |
SAPは認定パートナーが入れる
SAPジャパンは2024年9月、GROW with SAPのパートナー・パッケージ・プログラムを始めました。導入の範囲・期間・費用をモデルケースとして示し、短期・固定価格で入れる仕組みで、最初の参加はIPS、アンフィニ、NTTデータ グローバルソリューションズ、DTS、日立システムズ、三井情報の6社です。
国産は地元の販売店や会計事務所が窓口
OBCは直接販売をせず、事務機器の会社やSIer、会計事務所など全国3,000事業所のパートナーを通じて売っています。SMILEは大塚商会の営業が、複写機やパソコンと同じ窓口で扱います。
開発の規模で比較:SAPは開発に3.8万人
SAPは社員の3分の1が開発。売上の18.2%を製品づくりに回す
SAP
開発 3.8万人
社員の34%・売上の18.2%を開発に
国産ERP
開発 数十人〜数百人
メーカーごとに国内向けに開発
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 開発の人数 | 38,735人(社員の34.2%・2026年9月末) | 数十人〜数百人(メーカーごと) |
| 開発費 | 売上の18.2%(2026年1〜9月) | メーカーごとに違う |
| 開発の拠点 | 世界100か所以上(SAP Labsは13か所) | 国内が中心 |
新しい機能が、自社で作らなくても増えていく
SAPの会社概要(2026年10月21日)によると、開発に携わる人は38,735人で、社員の34.2%です。売上の18.2%を開発に使い、世界100か所以上で製品を作っています。これだけの人数が1つの製品群を作り続けているので、使う側は自社で開発しなくても、新しい機能を受け取れます。
国産は国内の制度・商習慣に合わせた改良が中心
国産ERPのメーカーは、1製品あたり数十人〜数百人の規模で、国内の法改正や日本の商習慣への対応を中心に製品を改良しています。国内の業務だけなら困ることは少ない一方、開発の規模そのものではSAPにかないません。
取引先とのつながりで比較:年9.4億件の企業間取引
SAPは取引先との受発注を、同じネットワークの上でやり取りできる
SAP
年9.4億件
SAP Business Networkの企業間取引
国産ERP
取引先ごとにつなぐ
EDI(電子データ交換)など別の仕組みを使う
| SAP | 国産ERP | |
|---|---|---|
| 受発注・請求 | SAP Business Networkで取引先とやり取り | EDI(電子データ交換)や請求書サービスなど別の仕組みでつなぐ |
| 取引の量 | 直近1年で約9.4億件(2026年9月まで) | 仕組みごとに違う |
取引先もSAPなら、つなぐ手間が少ない
SAPの会社概要によると、SAP Business Networkでは直近1年で約9.4億件の企業間取引が動き、取引でつながる会社の組み合わせは前年より11%増えています。大きな取引先がSAPを使っているなら、発注や請求を同じネットワークでやり取りでき、取引先ごとに仕組みを作る手間が減ります。
国内の取引先とは、いまの仕組みでつなぐ
国産ERPでは、取引先とのやり取りはEDI(電子データ交換)や請求書の送受信サービスなど、別の仕組みとつないで行います。取引先が国内の中小企業中心なら、これで足りることが多いです。
9項目の比較表
国産4勝・SAP4勝。料金と手間なら国産、規模と広がりならSAP
| 項目 | SAP | 国産ERP | 有利 |
|---|---|---|---|
| 作っている会社 | ドイツのSAP 1社(世界最大手) | 大塚商会・富士通・オービック・OBC(株式会社オービックビジネスコンサルタント)など | ― |
| 導入数 中堅・中小の上位6製品 | 2製品・合計19.9% | 4製品・合計39.9% | 国産 |
| 料金 クラウド・1年・税抜 | 25人で1,381万円(1人月4.6万円)。15人から | 勘定奉行は85人分でも1,014万円(1人月0.99万円)。9人までの枠から | 国産 |
| 大企業での実績 | 世界の大企業100社のうち99社が利用 | 中堅・中小が中心 | SAP |
| 使える範囲 | 人事は別のHRパッケージ | 奉行V ERPは給与まで1つの製品 | 国産 |
| 追加できる製品 | SAP Storeに3,000以上 | メーカーと販売店が用意する連携製品 | SAP |
| 相談先 | 認定パートナー(中堅向け定額パッケージは6社) | 全国の販売店(奉行は3,000事業所) | 国産 |
| 開発の規模 | 開発3.8万人・売上の18.2% | 数十人〜数百人(メーカーごと) | SAP |
| 取引先とのつながり | SAP Business Networkで年約9.4億件 | EDI(電子データ交換)など別の仕組みでつなぐ | SAP |
この記事を書いた会社の仕事
自社にはSAPと国産のどちらが合うか、60分の無料相談でお伝えします
いまの業務と、いちばん手間のかかっている作業を教えてください。この記事の9項目に沿って、SAP・国産パッケージ・まるっとERPのどれが合うかを整理します。しつこい営業はしません。
参考(2026年10月27日確認):GROW with SAP 料金(SAP)/GROW with SAP(SAP)/奉行V ERP(OBC)/大手企業におけるERP/基幹システム実体調査レポート(SCSK)/2025年 中堅・中小向けERP市場の導入シェアと注目すべきニーズ動向(ノークリサーチ)/勘定奉行V ERPクラウド PlanAX 9ユーザー 1年(OCN オンラインショップ)/勘定奉行V ERPクラウド PlanAX 85ユーザー 1年(OCN オンラインショップ)/奉行V ERPクラウド 会計 DX Suite モデル2 PlanAX 9ユーザー 1年(OCN オンラインショップ)/GROW with SAP パートナー・パッケージ・プログラム(SAPジャパン 2024年9月30日)/会社概要(OBC)/SAP: Leading Provider of Enterprise Application Software(SAP 2026年10月21日)
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