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導入の判断

ERP導入コンサルは不要?
費用相場・選び方・頼まなくていいケースを、開発会社の立場で整理する

公開 2026年8月27日更新 2026年9月8日株式会社Emposy 編集部読了 約18分
導入の判断 ERP導入コンサルは不要? 費用相場・選び方・ 頼まなくていいケース 開発会社の立場で整理する ERP開発通信 by 株式会社Emposy 統合したい業務は1〜3部門? はい 業務を説明できる人がいる? はい 開発会社に直接相談 要件整理は開発側のヒアリングで代替 いいえ コンサルを入れる

この記事でわかること

  • ERP導入コンサルが実際に何をする人なのか(5つの工程と、社内で代替できる範囲)
  • 費用相場——中小企業のプロジェクト型で500万〜2,000万円、月額サポート型で10万〜70万円(出典付き)
  • コンサル会社の3タイプと、提案の中立性がどこで失われるか
  • 頼まなくても進められる目安と、頼むべき目安(判断フロー付き)
  • 最初の面談で聞くべき10の質問、見積書で見る5点、規模別の想定ケース

「ERPを入れたい。でも、コンサルに頼むべきか、ベンダーに直接相談すべきか分からない」——中堅・中小企業の経営者から、私たちが最も多く受ける相談の一つです。

この記事では、ERP導入コンサルが実際に何をする人なのか、費用はいくらかかるのか、どんな会社に頼むべきなのか、そして頼まなくても進められるケースはどこかを整理します。書いているのは、コンサルではなく、自社専用の基幹システムを開発している会社です。コンサルを売る立場ではないぶん、「要らない場合」も率直に書きます。

ERP導入コンサルは、何をしてくれる人か

ERP導入コンサルタントとは、ERP(統合基幹業務システム)を導入する企業側に立ち、業務の整理から製品選定、プロジェクト管理、稼働後の定着までを支援する専門家です。ERPベンダー(製品を売る側)とは立場が異なり、本来は「発注者の代理人」として動きます。

ひと口にERPコンサルと言っても、担う領域によって3種類に分かれます。

種類主な仕事向いている場面
戦略・業務系経営課題から業務プロセスを見直し、「そもそも何をシステム化すべきか」を設計する業務が属人化していて、まず整理が必要な会社
導入PM系要件定義・ベンダー選定・スケジュールと予算の管理。プロジェクト全体の進行役複数部門・複数ベンダーが絡む案件
製品導入系特定のERP製品(SAP、国産パッケージ等)の設定・カスタマイズ・移行を担当する製品が決まっていて、導入作業を任せたい会社

中小企業が「ERPコンサル」と聞いて想像するのは、多くの場合2番目の「導入PM系」です。この記事でも、以降は主に導入PM系を前提に話を進めます。

コンサルが関わるのは、要件定義から稼働後までの5工程

各社の説明(マネーフォワード クラウドERPNTTデータGSL)を見ると、コンサルの担当範囲はおおむね次の5つに整理できます。右列に、それぞれを社内や開発会社側で代替できるかも併記しました。

工程コンサルがやること社内で代替できるか
1. 現状業務の棚卸しどの部門が、何のツールで、どんな手順で仕事をしているかを図と文書にする業務を説明できる人がいれば可能
2. 要件定義「新しいシステムで何ができればいいか」を経営と現場の両方から聞き取り、優先順位を付けて文書化する開発会社のヒアリングで代替可能なことが多い
3. 製品・ベンダー選定パッケージ/クラウド/個別開発の中から要件に合うものを比較し、RFP(提案依頼書)を作る候補が2〜3社なら社内で可能
4. プロジェクト管理スケジュール・予算・ベンダー調整を回す。導入PMを務めるケースが多い複数拠点・複数ベンダーだと難しい
5. 定着支援稼働後に現場が使い続けられるよう、運用ルールと教育を設計する開発会社の保守契約でカバーされることが多い

ポイントは、コンサルの本質が「システムを作る人」ではなく「自社の業務を言語化し、ベンダーに正しく伝え、プロジェクトを最後まで走らせる人」だということです。右列を見ると分かるように、5つのうち3つは条件次第で社内や開発会社側で代替できます。ここが「頼むべきか」を判断する出発点になります。

コンサルの費用は、月額か人日単価で決まる

公開されている相場情報をまとめました。情報源ごとに前提が異なるため、幅を持って見てください。

中小企業・プロジェクト型500万〜2,000万円出典:SLIDE LIB
月額サポート型10万〜70万円/月出典:SLIDE LIB
シニアコンサル単価150万〜300万円/月出典:SLIDE LIB
区分目安出典
プロジェクト型・中小企業(従業員〜100名)500万〜2,000万円SLIDE LIB
プロジェクト型・中堅企業(100〜300名)2,000万〜5,000万円
プロジェクト型・大企業(300名〜)5,000万円〜数億円
小規模ERPのコンサル費100万〜500万円程度ripla
中規模ERPのコンサル費500万〜2,000万円程度
月額サポート型(問い合わせ対応)月額10万〜30万円SLIDE LIB
月額サポート型(定例+改善提案)月額30万〜70万円
月額サポート型(PMO代行)月額70万円〜
シニアコンサルタントの単価月額150万〜300万円SLIDE LIB
フリーランスERPコンサル(経験1年〜)月額130万〜200万円ContactEARTH

※ いずれも各社が公開している目安で、2026年9月時点の情報です。実際の見積りは対象業務の範囲、部門数、既存システムとの連携、データ移行量で大きく変わります。

費用が上下する要因

同じ「中小企業」でも、見積りは次の要因で数倍変わります(ripla の整理を参考に、当社の経験を加えています)。

  • 対象業務の範囲——営業だけか、営業+経理+在庫か。部門が1つ増えるごとにヒアリングと要件の量が増える
  • 利用部門数・利用人数——権限設計と教育のコストに直結する
  • 既存システムとの連携——会計ソフトやECとの連携は、要件の中でも工数を読みにくい部分
  • データ移行量——「過去何年分を移すか」で作業量が大きく変わる
  • 帳票・レポートの数——1枚ごとに設計と検証が必要。見落とされやすい
  • コンサルタントの単価と稼働率——月額稼働型は、遅れるほど費用が増える構造になる

見落とされがちな点:コンサル費は開発費と別建て

相場表を見て最初に押さえるべきなのは、コンサル費用はシステム開発費とは別に発生するという構造です。開発会社の見積りだけを見て予算を組み、あとからコンサル費で予算を超える——これは中小企業のERP導入で最も典型的なつまずき方です。

試算例:従業員100名規模、営業・経理・在庫の3部門を統合する場合 コンサル経由 開発費 1,200万 コンサル費 500万 合計 1,700万円 開発会社に直接相談 開発費 1,200万 要件整理は開発側が実施 合計 1,200万円 開発費は「複数領域の統合 1,500万〜4,000万円」「部分刷新 300万〜1,500万円」(ripla)の間、 コンサル費は中小プロジェクト型の下限(SLIDE LIB)で置いた試算。金額は例示。
図1 同じ開発内容でも、コンサルを挟むかどうかで総額が変わる。要件整理を誰がやるかの違い。

コンサル会社は、出身によって3タイプに分かれる

「ERPコンサル」を名乗る会社は多いですが、成り立ちで見るとおおよそ3つに分かれます。どのタイプかで、費用だけでなく提案の中立性が変わります。

3タイプの位置づけ 対象企業の規模 → 製品からの中立性 ↑ 中小中堅大企業 中小・中堅向け独立系 製品に縛られない。力量差が大きい 大手総合コンサル・SIer系 SAP/Oracle。費用規模は大きい ERP専門・特定製品系 その製品を前提に話が進む
図2 規模と中立性で見た3タイプ。費用が安く見えるタイプほど、製品選定の幅が狭いことが多い。
タイプ得意な案件費用感注意点
大手総合コンサル・SIer系SAP/Oracle 等の大規模ERP。複数拠点・グループ会社をまたぐ案件大きくなる傾向(SLIDE LIB)中小規模の案件は受けない、または担当が若手になりやすい
ERP専門・特定製品系特定の国産パッケージやクラウドERPの導入製品に紐づく分、比較的抑えめその製品を前提に話が進む。「そもそもパッケージが合うか」の問いが立ちにくい
中小・中堅向け独立系業務の棚卸しから製品選定まで、製品に縛られない支援抑えめ(具体額の公開は少ない)会社ごとの力量差が大きい。実績の中身を必ず確認

特定製品系のコンサルは、製品の販売代理を兼ねていることがあります。費用が安く見えても、その時点で「パッケージにするか、自社専用に作るか」という最初の分岐が消えていることには注意が必要です。

コンサルを選ぶときに見る、5つの基準

頼むと決めた場合、何で比べるか。価格表を並べても本質は見えません。私たちが発注側の立場なら、次の5つで見ます。

  1. 同規模・同業種の実績が直近2年にあるか大企業案件の経験は中小にはそのまま転用できない。「〇〇社の導入実績」より「自社と同じ50名規模で、去年何をしたか」を聞く
  2. 製品との利害関係が開示されているか販売代理契約の有無を最初に確認する。開示しない相手は、その時点で候補から外してよい
  3. 成果物の粒度が事前に見えるか要件定義書の見本を見せられるか。「A4で3枚」と「100ページ」では、以降の開発会社の動き方が変わる
  4. 費用が成果物ベースか、稼働時間ベースか稼働型は遅れるほど費用が増える。成果物型なら、範囲を先に固める必要がある。どちらが自社に合うかを理解して選ぶ
  5. 「頼まない選択肢」を提示できるか自社の規模ならコンサル無しでも進められるかを聞いて、「ない」と即答する相手は避ける。中立な相手ほど、正直に答える

ERP導入が失敗するのは、要件を決める人が社内にいないとき

各社の失敗分析に共通しているのは、失敗の原因の多くはシステムの不具合ではなく、「組織」「人」「プロセス」といった非技術的な領域にあるという指摘です(クラウドERP実践ポータルNetSuite)。

  • 要件を決めきれないまま開発が始まり、途中で仕様が膨らむ
  • 現場の入力負荷が上がり、結局Excelに戻る
  • 経営者が途中で関心を失い、判断が現場任せになる
  • 「いま困っていること」ではなく「将来あったらいいもの」を優先して作る
  • データ移行を軽く見積もり、稼働直前に数ヶ月止まる

どれも、どんなに良い製品を選んでも解決しません。コンサルの価値は、こうした非技術的な失敗を防ぐ「進行役」にあります。

「過剰なカスタマイズ」の定説と、その逆

もう一つよく挙がるのが「パッケージの過剰なカスタマイズ」です。パッケージ製品を選んだ場合、標準機能に業務を合わせるのが定石で、無理に作り込むと保守もアップデートも苦しくなります。これはその通りです。

ただし、逆の問いも成り立つ

「業務を標準に合わせたら、自社の強みが消える」という会社は、パッケージを選んだ時点で矛盾を抱えています。標準に寄せられない業務が売上の源泉なら、最初からパッケージではなく自社専用に作る方が、結果として無理なカスタマイズを避けられます。「どの製品を選ぶか」の前に「標準に合わせられる業務なのか」を見極める——これが、コンサルに頼む・頼まないに関わらず最初の仕事です。

コンサルに頼まなくていい会社と、頼んだ方がいい会社

私たちは開発会社なので、コンサルを介さず直接相談を受けることが多い立場です。その経験から、判断の目安を図にしました。

統合したい業務は 1〜3部門に収まる? はい いいえ 業務の流れを他人に説明できる人が 社内に1人いる? はい いいえ 開発会社に直接相談 要件整理は開発側のヒアリングで代替 コンサル、または 棚卸しから任せられる開発会社 コンサルを入れる 複数拠点・基幹刷新・稟議が重い
図3 頼む・頼まないの判断フロー。2つの問いで大半のケースは分かれる。

コンサルなしで進められた例——この記事を書いている会社の場合

抽象的な条件を並べても判断できないので、実例で書きます。私たち自身が、コンサルを入れずに自社の基幹システムを作りました。そのとき何があったかがこれです。

代表が自分で書いた要件定義書から(2026年7月11日・原文)

「いろんなSaaSやスプレッドシートに分散している情報を一つに集約するのことを目的とする」「なによりすぐ編集できるのが大事。編集ボタン押さないとダメとか論外。スマホでの操作もできるだけ楽に」「人によって微妙にフォーマットが違う!エクセルみたいに人が増やせるようにしたい」「あとデバッグは鳥の目でもやってほしい。正解ありきのデバッグじゃなくてね」

専門用語はひとつも入っていません。困っていること譲れない操作感だけです。それで足りました。コンサルが作る要件定義書のような体裁はありませんが、これで60日後には日常業務が全部乗っています。

私たちがコンサルなしで進められた条件と、逆にコンサルが要る条件を並べます。「コンサルなしで進められる会社」の3つが揃えば、コンサル費の分を開発に回せます。1つでも欠けると、「コンサルを入れた方がいい会社」のどれかに当たります。

コンサルなしで進められる会社

  • いちばん困っている作業を、具体的な数字で言える「月次締めに3日かかる」「同じ受注を3か所に書いている」のレベル。うちは3か所でした。ここが言えないと、コンサルに頼んでも同じヒアリングを外注するだけになります
  • 経営者本人が打ち合わせに出て、その場で決める「持ち帰って検討」が続くとプロジェクトは止まります。うちは要件定義書を代表が自分で書いたので、判断が誰かを待つことがありませんでした
  • 統合したい業務が1〜3部門に収まっている営業+経理+在庫くらいまで。部門をまたいで利害が対立しないので、調整役が要りません

コンサルを入れた方がいい会社

  • 部門ごとに「今のやり方を変えたくない」が対立している営業は今の受注入力を、経理は今の締めを変えたくない。社内の人間が調整に入ると角が立ちます。ここは第三者が要る場面です
  • いま動いている基幹システムが大きく、移行だけで数ヶ月かかるデータ移行の範囲を決める作業そのものが、社内の誰かの本業を数ヶ月潰します。人を出せないなら外に頼む方が早い
  • 稟議に、社外の人が作った資料が要る役員会や親会社の承認で、第三者の評価を求められることがあります。これは正しい使い方です
  • 自社の業務を説明できる人が、社内に1人もいないベテランが辞めたあとに多い形です。現場のヒアリングから外に任せることになります

20名・80名・200名の会社で、コンサルが要るかどうか

判断フローを、よくある3つの会社像に当てはめてみます。いずれも想定ケースで、特定の企業ではありません。

ケースA 従業員50名の製造業

受注はSFA、原価はExcel、会計は会計ソフト。月次の原価集計に3日かかる。

推奨:開発会社に直接相談。統合対象は営業・原価・会計の3部門で、工場長が業務を説明できる。要件整理は開発側のヒアリングで足りる。コンサル費(中小プロジェクト型の下限でも500万円前後)を開発に回す方が効く。

ケースB 従業員120名の卸売業

拠点2つ、在庫管理は拠点ごとにExcel。基幹システムは15年前のもので、担当者が退職済み。

推奨:要件定義の工程だけコンサルを切り出す。旧基幹からのデータ移行と、拠点間で違う運用の統一が論点で、第三者の整理があると社内合意が取りやすい。開発は要件定義の段階から開発会社を同席させ、手戻りを減らす。

ケースC 従業員300名・拠点5つの建設業

グループ会社2社を含む。稟議は取締役会で、部門ごとに要望が対立している。

推奨:導入PM系コンサルを入れる。利害調整と稟議資料の作成が主戦場で、開発会社が担うべき範囲を超えている。ただし製品系コンサルは避け、「パッケージか自社専用か」の分岐を残したまま棚卸しできる相手を選ぶ。

最初の面談でコンサルに聞くべき、10の質問

頼むと決めた場合、最初の面談で次の質問をぶつけてください。答え方で、そのコンサルが「進行役」なのか「製品の販売窓口」なのかが分かります。

  1. 特定のERP製品と販売代理契約を結んでいますか?— 中立性の確認。「はい」なら製品選定の提案は割り引いて聞く
  2. 私たちと同じ規模・業種の案件を、直近2年で何件担当しましたか?— 大企業案件の実績は中小には転用しにくい
  3. その案件は、稼働後1年たっても使われていますか?— 導入完了ではなく定着まで見ているか
  4. パッケージではなく個別開発を勧めたことはありますか?どんな場合でしたか?— 標準に合わない業務をどう扱うか
  5. 費用は成果物ベースですか、稼働時間ベースですか?— 月額稼働型は、遅れるほど費用が増える構造になる
  6. 要件定義書の見本を見せてもらえますか?— 成果物の粒度を事前に知る
  7. プロジェクトが途中で止まった案件はありますか?理由は?— 正直に答えるかどうか自体が判断材料
  8. 開発会社との契約は、御社経由ですか、当社直ですか?— 中抜きの有無と責任分界
  9. 担当者は面談に出ている本人ですか?— 営業と実務担当が違うケースが多い
  10. 私たちの規模なら、コンサルを入れずに進める選択肢はありますか?— 「ない」と即答する相手は避ける

コンサルの見積書で見るべき、5つの点

コンサルからでも開発会社からでも、見積書が出てきたら次の5点を確認してください。金額の大小より、何が含まれていて何が含まれていないかの方が重要です。

確認点見るべき理由
1. 要件定義が含まれるか含まれていなければ別途コンサル費が要る。含まれていれば「誰が・何回のヒアリングで」まで確認
2. データ移行の範囲「過去何年分を移すか」で工数が大きく変わる。未記載なら移行は別料金と考える
3. 既存SaaSとの連携会計ソフトなど残すツールとのAPI連携が入っているか。「連携可能」と「連携込み」は違う
4. 稼働後の保守費と範囲月額の中に「軽微な修正」が含まれるか、全て別見積りか
5. 仕様変更の扱い開発途中で出た要望をどこまで吸収するか。「2週間ごとに動く画面を見て調整」のような進め方が書かれているか

コンサルを挟む場合と、開発会社に直接頼む場合で進み方が違う

工程で比べると、違いは「要件整理を誰がやるか」と「動くものをいつ見られるか」に集約されます。

一般的な流れの比較(期間は目安) コンサル経由 現状調査 要件定義 ベンダー選定 開発 約1〜2ヶ月約1〜2ヶ月約1ヶ月3〜6ヶ月 開発会社に直接相談 ヒアリング+要件整理 開発(2週間ごとに動く画面を確認) 約2週間2〜3ヶ月 ↑ 2週間ごとの確認ポイント。触ってみて出た違和感をその場で反映する コンサル経由の期間は一般的な工程の目安。直談側は当社の標準的な進め方。案件規模で前後する。
図4 工程の比較。直談の場合、要件整理と開発が同じ会社の中で回るため、手戻りが短い。

コンサル経由の良さは、要件定義書という「第三者の文書」が残ることです。稟議が重い会社では、これが社内合意の武器になります。一方で、要件定義とベンダー選定に数ヶ月かけたあとに開発が始まるため、現場が動くものを見るまでの時間が長い。ここで「作ってみたら想定と違った」が起きると、手戻りのコストが大きくなります。

開発会社に直接相談する場合は、ヒアリングと要件整理を開発側が引き受け、早い段階から動く画面を見せながら進めます。第三者の文書は残りませんが、「触ってみて違う」をその場で直せるのが強みです。1〜3部門の統合であれば、こちらの方が費用も期間も短くなることが多い、というのが私たちの実感です。

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よくある質問

コンサルと開発会社、両方に頼む必要はありますか?

大規模・複数拠点でなければ、必須ではありません。開発会社側がヒアリングと要件整理を引き受けられる場合、コンサルを別建てにしなくても進められます。稟議で第三者の文書が必要な場合だけ、要件定義の工程をコンサルに切り出す、という組み方もあります。

ERP導入コンサルの費用相場はいくらですか?

公開されている目安では、中小企業のプロジェクト型で500万〜2,000万円、中堅企業で2,000万〜5,000万円、月額サポート型で月10万〜70万円程度です。対象業務の範囲・部門数・データ移行量で大きく変わります。

コンサル費用は補助金の対象になりますか?

制度と公募回によって異なります。対象になる可能性はありますが、要件・補助率は年度ごとに変わるため、相談時点の公募要領で確認するのが確実です。

相場より安いコンサルは危険ですか?

安さそのものより、「どの製品に紐づいているか」「棚卸しをどこまでやってくれるか」を確認してください。特定製品の販売代理を兼ねている場合、費用が安く見えても製品選定の中立性が失われることがあります。

要件定義だけコンサルに頼んで、開発は別の会社に出せますか?

できます。ただし要件定義書を受け取った開発会社が「書いてあることは分かるが、なぜそうしたいのかが分からない」状態になりやすく、結局ヒアリングをやり直すことがあります。分ける場合は、要件定義の段階から開発会社を同席させると手戻りが減ります。

フリーランスのERPコンサルに頼むのはどうですか?

単価は会社に頼むより抑えられます(月額130万〜200万円が公開されている目安)。ただし1人で回す分、稼働が止まるリスクと、製品選定の幅が本人の経験に依存する点は織り込んでください。

ERPコンサルとITコンサルの違いは何ですか?

ITコンサルは情報システム全般(インフラ、セキュリティ、DX戦略など)を対象にし、ERPコンサルはその中で基幹業務システムの導入に特化しています。ERP導入の実務経験があるかどうかが分かれ目で、肩書きより「導入案件を何件回したか」で判断してください。

まとめ

  • ERP導入コンサルの仕事は「作る」ことではなく、業務を言語化してプロジェクトを走らせること。5つの工程のうち3つは条件次第で代替できる
  • 費用はシステム開発費とは別に発生する。中小企業のプロジェクト型で500万〜2,000万円が公開されている目安
  • 統合したい業務が1〜3部門で、社内に業務を説明できる人がいるなら、開発会社に直接相談する方が費用も期間も短くなることが多い
  • 頼むなら、製品との利害関係・同規模の実績・成果物の粒度を最初の面談で確認する

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株式会社Emposy 編集部

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