「ERPを入れたい。でも、コンサルに頼むべきか、ベンダーに直接相談すべきか分からない」——中堅・中小企業の経営者がよく抱える迷いです。
コンサルを入れるかどうかは、費用の大きさよりも社内で要件を決めきれるかで分かれます。
ERP導入コンサルは、何をしてくれる人か
業務を言葉にして、ベンダーに伝え、導入を最後まで進める人です。システムを作る人ではありません
ERP導入コンサルタントとは、ERP(統合基幹業務システム)を導入する企業側に立ち、業務の整理から製品選定、プロジェクト管理、稼働後の定着までを支援する専門家です。ERPベンダー(製品を売る側)とは立場が異なり、本来は「発注者の代理人」として動きます。
担う領域で、3種類に分かれる
どこまでを引き受けるかで、ERP導入コンサルは次の3種類に分かれます。
| 種類 | 主な仕事 | 金額 | 御社との関わり |
|---|---|---|---|
| 戦略業務型 | 経営課題から業務の流れを見直し、「そもそも何をシステム化すべきか」を決めます | ★★★ | ★★★ |
| 導入PM型 | 要件定義・ベンダー選定・スケジュールと予算を管理します。プロジェクト全体の進行役です | ★★★ | ★★★ |
| 製品導入型 | 特定のERP製品(SAP、国産パッケージ等)の設定・カスタマイズ・移行を担います | ★★★ | ★★★ |
※ ★は3段階の相対的な目安です。金額は中小企業が頼んだときの費用の大きさ、関わりは経営や現場の業務にどこまで入り込むかを表します。製品や頼む範囲で変わります。
中小企業が「ERPコンサル」と聞いて想像するのは、多くの場合2番目の「導入PM型」です。以降は導入PM型を前提に話を進めます。
関わるのは、要件定義から稼働後までの5工程
各社の説明(マネーフォワード クラウドERP、NTTデータGSL)を見ると、コンサルの担当範囲はおおむね次の5つです。
- 現状業務の棚卸しどの部門が、何の道具で、どんな手順で仕事をしているかを図と文書にします
- 要件定義「新しいシステムで何ができればいいか」を経営と現場から聞き取り、優先順位を付けて文書にします
- 製品・会社選び既製品のERP・クラウド・自社専用の開発から合うものを比べ、各社に出す依頼書を作ります
- 進み具合の管理日程・予算・各社とのやり取りを回します
- 使い続ける仕組みづくり動き始めたあと、現場が使い続けられるようにルールを決め、使い方を教えます
費用相場は、中小企業で500万〜2,000万円
中小企業が一括で頼むと500万〜2,000万円、月額なら月10万〜70万円が目安です
相場は、一括で頼むか月額で頼むかと、会社の規模で大きく変わります。まず公開されている目安を見て、そのあと見積りを上下させる6つの要因を確認します。
一括で頼む
- 従業員〜100名
- 500万〜2,000万円
- 100〜300名
- 2,000万〜5,000万円
- 300名〜
- 5,000万円〜数億円
月額で頼む
- 問い合わせ対応
- 月10万〜30万円
- 定例会+改善の提案
- 月30万〜70万円
- 進み具合の管理まで代行
- 月70万円〜
1人あたりの単価
- 経験の長いコンサル
- 月150万〜300万円
- フリーランス(経験1年〜)
- 月130万〜200万円
※ 出典:フリーランスは ContactEARTH、それ以外は SLIDE LIB。いずれも各社が公開している目安で、2026年9月時点の情報です。実際の見積りは、対象業務の範囲・部門数・今のシステムとの連携・移すデータの量で大きく変わります。
同じ「中小企業」でも、見積りは次の6つで数倍変わります。
営業だけか、営業+経理+在庫かで変わります。部門が1つ増えるごとに、聞き取りと決めることが増えます
誰に何を見せるかの設定と、使い方を教える手間が、人数に合わせて増えます
会計ソフトやネットショップとつなぐ部分は、どれだけ手間がかかるか読みにくい部分です
「過去何年分を新しいシステムに移すか」で、作業量が大きく変わります
請求書や集計表は、1枚ずつ設計と確認が要ります。見落とされやすい項目です
月いくらの払い方だと、予定より長引くほど費用が増えます
コンサル会社の選び方
特定の製品を売っているコンサルは、その製品を入れる前提で話を進めます。まず製品と関係のない相手かを確かめます
コンサル会社は、出身によって得意な案件と、すすめる製品の偏りが変わります。まずどのタイプかを見分け、そのうえで最初の面談で確かめる4つの注意点を押さえます。
出身で、3タイプに分かれる
「ERPコンサル」を名乗る会社は、成り立ちで見るとおおよそ3つに分かれます。どのタイプかで、費用だけでなく提案の中立性が変わります。
特定製品型のコンサルは、その製品の販売代理店を兼ねていることがあります。その場合、「既製品のERPを使うか、自社専用に作るか」を比べないまま、その製品を入れる話が進みがちです。費用が安く見えても、ここは先に確かめてください。
面談で確かめる、4つの注意点
頼むと決めたら、価格表より次の4つを確かめます。最初の面談でそのまま聞ける形にしました。
- 注意点1同じ規模・同じ業種の実績が、直近2年にあるか「私たちと同じくらいの規模・業種の案件を、この2年で何件担当しましたか。1年たった今も使われていますか」と聞きます。大企業での経験は、中小企業にはそのまま使えません
- 注意点2特定のERP製品を売っていないか「どこかのERP製品の販売代理店をしていますか」と最初に聞きます。している場合は、その製品をすすめられやすくなります。はっきり答えない相手は、候補から外して構いません
- 注意点3最後に何を渡してくれるのか、見本を見せてもらえるかコンサルが最後に渡すのは、主に「新しいシステムでやりたいことをまとめた書類(要件定義書)」です。過去の見本を見せてもらいましょう。A4で3枚か100ページかで、そのあと作る会社の進め方がまったく変わります
- 注意点4料金は「仕事ごとの定額」か「月いくらの払い」か月いくらの払い方だと、予定より長引くほど費用が増えます。定額なら、最初に「どこまでやってもらうか」をはっきり決めておきます
コンサルに頼まなくていい会社と、頼んだ方がいい会社
「進められる会社」の3つが揃えば、コンサル費の分を開発に回せます。1つでも欠けるなら、「入れた方がいい会社」のどれかに当たります。
コンサルなしで進められる会社
- いちばん困っている作業を、具体的な数字で言える「月次締めに3日かかる」「同じ受注を3か所に書いている」のレベルです。ここが言えないと、コンサルに頼んでも同じヒアリングを外注するだけになります
- 経営者本人が打ち合わせに出て、その場で決める「持ち帰って検討」が続くとプロジェクトは止まります
- 統合したい業務が1〜3部門に収まっている営業+経理+在庫くらいまでです。部門をまたいで利害が対立しないので、調整役が要りません
コンサルを入れた方がいい会社
- 部門ごとに「今のやり方を変えたくない」が対立している社内の人間が調整に入ると角が立ちます。第三者が要る場面です
- いま動いている基幹システムが大きく、移行だけで数ヶ月かかる移行範囲を決める作業が、社内の誰かの本業を数ヶ月潰します。人を出せないなら、外に頼む方が早く進みます
- 稟議に、社外の人が作った資料が要る役員会や親会社の承認で、第三者の評価を求められる場合です。これは正しい使い方です
- 自社の業務を説明できる人が、社内に1人もいないベテランが辞めたあとに多い形です。現場のヒアリングから外に任せることになります
開発会社に直接頼むと、進み方はこう変わる
コンサルを挟む場合と比べると、違いは「要件整理を誰がやるか」と「動くものをいつ見られるか」です。
コンサル経由の良さは、要件定義書という「第三者の文書」が残ることです。稟議が重い会社では、これが社内合意の武器になります。一方で、要件定義とベンダー選定に数ヶ月かけてから開発が始まるため、現場が動くものを見るまでが長くなります。そこで「作ってみたら想定と違った」が起きると、手戻りが大きくなります。
開発会社に直接相談する場合は、ヒアリングと要件整理を開発側が引き受け、早い段階から動く画面を見せながら進めます。「触ってみて違う」をその場で直せるので、1〜3部門の統合なら、費用も期間も短くなることが多くなります。
御社の状況、
第三者の目線で判断いたします。
統合したい業務と、いちばん手間のかかっている作業を教えてください。コンサルを入れるべきか、開発会社に直接頼めるか、ERP化せずSaaSで足りるかまで、60分の無料相談でお伝えします。しつこい営業はしません。
参考:ERPコンサルタントとは(マネーフォワード クラウドERP)/ERPコンサルタントとは(NTTデータGSL)/ERPコンサル会社おすすめ12選・費用相場(SLIDE LIB)/ERP案件の単価相場(ContactEARTH)/ERP導入で失敗する原因(クラウドERP実践ポータル)/ERP導入失敗の原因(NetSuite)
資料を